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※この作品は性描写があります。18歳未満の方はお戻り下さい。
18歳以上の方は自己責任でご閲覧下さい。



仔供が、泣いている。
激しく、苛烈な焔のように、全身全霊を憎しみに窶している。
その姿はあまりに純粋で、一点の曇りもなく、それ故あまりにも哀しい。

もう1人、別の仔供が泣いている。
少し離れたところから、その焔を見つめている。
水を思わせる清廉な眼差し。静かに涙を流しながら、焔の仔を、真っ直ぐに真摯に見つめている。
 
次第に、焔の仔と水の仔の距離が離れていく。
焔の仔が、水の仔の名を叫ぶ。
だが水の仔はそこから動かない。
水の仔が、焔の仔の名を呼ぶ。
だが焔の仔はそこから動けない。
互いの姿はどんどん遠ざかっていく。
水の仔は深い瞳で真っ直ぐに、焔の仔を見つめている。どんなにその姿が遠くなっても。
焔の仔は、己に手繰り寄せるかのように、水の仔の名をもう一度、全身で叫んだ。

 

 

1.

 

「...お前、泣いてんのか」
ふと、声が降ってくる。その声に意識を呼び戻され、桂はぼんやりと目を開けた。
焦点が定まらず、何度か瞬きをする。涙が一筋零れ出て、つと頬を伝う。
誰かの指が、涙を拭う。その指は優しく、いとおしむようですらある。
次第に視界がはっきりとしてきて、やがてその指の持ち主である1人の男の像を結んだ。
「...お前、は...?」
頭部に鈍い痛みを感じながら、桂は掠れた声で尋ねる。
男は、ふっと皮肉な笑いを浮かべた。
華美な着物に身を包み、手には細長い煙管。左眼は包帯で覆われている。
「...俺のことより、てめェのことは分かんのか?」
男は隻眼を細め、からかうような口調で言う。
「...え...? ...あ......」
言われたことの意味が分からず、桂はぼんやりと考える。
「......ここ、は...?」
座敷牢のような作りの、薄暗い部屋の片隅。手首を肩の高さで壁に留め付けられ、桂は壁に凭れるように坐らせられていた。
だが、なぜこのような状況にいるのかということについての記憶がない。
----否。全てのことが、何もわからない。自分のことも、眼前の男のことも。
記憶が全くないという事実を認識し、桂の瞳がひどく不安げに揺れた。めったに見られないその表情を舐めるように見つめ、男は満足そうに笑む。
「覚えてるか? お前、罪人なんだぜ」
愉悦を含んだ声で、男が言う。
「...罪、人...」
言葉の意味を確かめるように、桂が呟く。
「そうさ。ここへの監禁はお前に与えられた罰だ。そして、これからされることもな」
そう言って男は桂の顎をくいっと持ち上げ、唇を合わせた。
「んっ...!」
突然口内を犯され、桂の瞳に怯えが走る。
逃れようと身体を捻るが、両手首の鎖が硬質な音を立てるのみだ。
「クク、怖いか...? だが怯える資格はねェぞ。拒む資格もな」
楽しくてしかたないといった様子で、男が歪んだ笑みを浮かべる。
「お前、は、一体...?」
微かに震える声で、桂が問いかける。
「知りたいか?」
声のトーンが急激に落ちる。男は桂の手首を壁に強く押し付けた。

「俺は、お前をこの世で最も憎む男だ」
 
一瞬、桂が目を見開く。
男の顔からは皮肉な笑みが消え、燃えるような感情が滲み出ている。

「お前は残酷で、冷徹で、卑怯で、」

爪がギリギリと食い込み、白い手首に赤い傷が付く。
痛みが走るが、男の言葉を正面から受け止めるように、桂は顔をそらさない。

「...殺してやりたいくらい、俺は...!」

顔を間近に近づけ、炎を思わせる激しい眼で桂を射抜く。
桂は水を湛えたような深い眼差しで、男の視線を真っ直ぐに受け止める。

唇が重なるほどの距離で、しかし互いに瞳をそらすことはない。

「......そう、か...」
かなりの沈黙の後、声を発したのは桂だった。
「お前が俺を憎んでいるのはよくわかった...。こうして囚われた以上、もはや俺に術はない。殺せ」
そう言って静かに眼を閉じる。
「お前がそれほど憎むのなら、俺は余程のことをしたのだろう...。潔く、咎を受けよう」
先刻までの怯えを隠すかのように、長い睫毛の影が頬に落ちる。
記憶を失っていても、生真面目な気性はそのままだ。その真っ直ぐさが、男をこの上なく苛立たせた。
「その言葉、忘れるなよ...。お前は俺に何をされても文句は言えない。何度でも、殺してやる」
獣の光の浮かぶ眼で、男は乱暴に桂の襟元を引き裂いた。

 


2.


首筋に噛み付くように吸い付いた、粘膜の感触。桂の全身がぞくりと粟立つ。
「...お前は、裏切り者だ」
耳の傍で低く囁かれる。
裏切り者、という言葉が、桂の心にじんと沈んでいく。
「抵抗は、許さねェ」
男は乱暴に桂の肩を掴み、首の付け根、鎖骨の少し上の部分に強く吸い付く。
同じ箇所を何度も何度も吸い、舌をとがらせて舐め、再び吸い付き、強く、強く、痛むほどに吸い上げる。それはさながら罪人への刻印の如く。
「...っ、う...」
生肌にかかる男の吐息、舌のぬめり、うねり、唇の感触。拘束された手首。抵抗できない身体。
痛み以上に性的な感覚を呼び起こす刺激に、桂の指が震えている。
「...これは、罪人の証だ」
満足そうに、男が冷たい笑みを浮かべる。
ようやく唇の離れた跡には鬱血が残り、白い首筋にそれは赤く美しく映えた。
「...綺麗だ、な」
赤い刻印を捺された肌を見つめ、男がぽつりと呟く。
その表情が一瞬酷く幼くて、記憶のないはずの桂の心に、何らかの感情を呼び起こす。
「...お前は、誰、なんだ...?」
震える唇から、つむぎ出された言葉。記憶を手繰り寄せようと、桂は男の顔を懸命に見つめる。だが男は瞬時に表情を消し、元の皮肉な笑みに戻っていた。
「ん...っ」
突然乱暴に口付け、深く舌を差し込み、怯える舌を捕らえて激しく絡める。
「ぅ、んっ...んぁ...」
口内を執拗に侵され、桂の身体に熱が燻る。
つ、と下腹部に伸びる手。男の指が裾を割り、口付けを続けたまま、内腿を擦り上げる。
桂の身体がじわじわと熱に蝕まれていく。
「んぅ...ふ、ぅ...」
ようやく解放された頃には、淫らな痺れが身体中を巡っていた。
「お前は俺の手中にある...それを忘れるな」
そう言って男は、桂の両足首を縄で結び、代わりに手首の鎖を外す。壁からの拘束を解かれ、桂の身体がぐったりと傾いた。

「お前はこれから犯されるんだぜ...」

低く耳元で囁かれ、身体の奥がじんと疼く。
黒い布で目隠しをされ、何も見えなくなる。
肩から腰へ、ゆっくりと、着物を脱がされる。
両足首は縛られたまま、膝を開かされる。
見えない恐怖が桂の全身を駆け巡った。
「...誰だか分からない男に犯される気分はどうだ?」
桂を後ろから抱き込み、男はわざと優しげに問う。
着物をすべて取り去り、桂の中心に手を伸ばす。雫を滲ませたそれを、根元からゆっくりとなぞる。
「分かるか? お前、こんなになってンだぜ...」
耳の傍で、厭らしく囁く。桂の身が震え、唇が戦慄く。勃ち上がりかけたものの輪郭を教えられ、羞恥が官能を煽る。
なぞる指が先端に達する。桂の身体がビクリと動く。黒い布に覆われた目元が、開かれた唇の艶を際立たせる。
「ホラ、」
指の腹で雫をそっと塗り込める。くちゅ、ぬる、ぬる、ぬる。
「んっぁ、や...っ」
「潔く、咎を受けるんじゃなかったのか...?」
ぬるり、ぐちゅ、ぬるり、ぬるり。
「あぁ、ん...ぅ」
静かに震える喉。
乱された着物、露わな肩、縛られた足首、開かれた膝。黒い布で覆われた目元、際立つ唇、震える指先。耳に吹きかかる男の息。
獣に囚われた、なすがままの艶態。
「...耐えろ」
それは、命令。男の指が、先端をとろとろと円を描いて撫でる。
「ア、あぁ...あ...」
緩い刺激に耐えられず、身悶える、桂の身体。
「は・・ぁ、あ...っ」
視界を奪われて与えられる罰をただ甘受させられる、それはそれは美しく卑猥な姿。
「苦しいか?」
男は動きを止め、指の腹で先端に触れたまま、桂の顔を覗く。
意志の強い瞳が見えず、身体を溶かされてただ静かに悶える様は、まるで淫蕩な人形のようだ。
「ぅ...」
動きの止められた指が余計に圧迫感を与え、桂の腰が僅かに揺れる。
「まだだ」
先端をぴちゃぴちゃと、指の腹で軽く叩く。
「ひぅ、」
ヒクリと動く爪先。捩る足首に縄が食い込み、赤い跡を残す。
「これは、罰だ」
無表情に愛撫を加えながら、男が再度囁く。
ぴちゃり、ぴちゃり。
「あぁ...んぁ、あ...っ」
黒髪をゆるゆると振り乱し、桂が淫らに身悶える。膝を閉じようとするが、男の腕がそれを許さない。
「...俺を、拒むな...!」
男は怒りの滲んだ声で、腕に力を込めた。

 


3.


「俺を、拒むな」
男は冷たい表情で、閉じようとする桂の膝を押さえ付ける。
首筋を舐め上げ、痛めつけるように吸い付きながら、掌で桂の芯を激しく弄り始めた。
「ひぁ、あぁっ...!」
これまでの緩慢な攻めから一転した急激な加虐。突然与えられた強い刺激に悲鳴を上げ、桂が身を捩る。
「抵抗は許さねェと言ったはずだ」
怯える身体を強く押さえ込み、露を零した桂の先端を、親指でぐりぐりと強く扱く。同時に首筋を激しく貪り、胸元の突起を痛めつけるように吸い、舐め、噛む。
「ぃや、あ、ぁあっ...!んっ、は、あ...ッ!」
一方的に与えられ続ける暴力的な愛撫に、青白い肢体が激しく身悶える。黒髪を振り乱し、口唇を震わせ、指は何かに縋るように宙を掻く。
狂いそうなほどの、責め苦。
「や、あ、あ、ぃあぁっ...!」
一際高い声をあげ、桂の身体が大きく震え、男の指に白が吐き出された。
「...まだ、だ」
ぐったりとした身体を抱きこみ、精をぐちゅぐちゅと塗り込めるように、男はさらにそこへの愛撫を続ける。
「ひぃ、んやっ...、ぁあんっ」
びくん、びくん、
達したばかりの敏感な身体に続けざまに与えられる、それはまるで、拷問。
全身が痙攣するように震え、流れ出した涙が、目元を覆う布を濡らす。
「っひ、は、ぁ...あ、ぁん、や...っ」
苦しそうに上擦った涙交じりの声、痛々しくも淫らに跳ねる身体。ひどく艶めいた、戦慄く口唇。
「...苦しい、か?」
愉悦を含んだ声で、男が甘く囁く。
「もっと、苦しめ」
ひどく優しい口調で、残酷な言葉を落とし、桂を畳の上にそっと横たえた。
足首を縛る縄を外し、代わりに手首を一纏めにする。束縛から解放されたばかりの両脚の間に入り、膝を大きく広げさせ、中心を露わにさせた。
「...随分と卑猥な姿だな、えェ?」
揶揄するようなその言葉に、桂の肩がびくりと揺れる。散々いたぶられた身体はすでに限界を超えていて、ぐちゃぐちゃに濡れたそこは痛々しく反り返っていた。
ふ、と息をかけると、刺激を求めるように身体がびくりと揺れる。
だがそこに触れることなく、男は骨ばった指を後孔に突き入れた。
「ッひいっ...!」
予想外の刺激に、白い喉が大きく仰け反る。
視界を奪われたまま受ける仕打ちに、広がるものは、恐怖と、そして狂うほどの官能。
「クク...聞こえるか?何されてるかは、分かるよな」
精を奥まで入れ込むように、ゆっくりと指を出し入れさせる。
ぷちゅ、くちゅ、ぶちゅちゅ、
この上なく卑猥な音が、桂の聴覚を侵していく。
「や...ぁ、っふ、んん...ッ」
新たに与えられ始めた緩い感覚に、桂の口唇が戦慄く。
急所を掠めるたびに漏れる苦しげな吐息を無視して、男はゆるゆるとそこを攻め続ける。
じわじわと身体を蝕んでいくような快感は、しかしもどかしさを増幅させるばかり。
欲するものには全然足りなくて、青白い身体が小刻みに震え、流れる涙が覆いを濡らし、吐息は次第に懇願の色を帯びる。
「俺を、欲しいか...?」
低く掠れた声で、男が囁く。
「俺を、欲しくて、苦しいか...?」
問いかけるその表情はどこか幼くて、哀しげで、縋りつくようにも見える。
だがそれは、黒布に覆われた桂の瞳には映らない。
返ってこない答えに、男は苛立つかのように突然指の動きを速めた。
「いぁアっ...!」
「もっと、俺を、欲しろ」
ぐいぐいと内部を押し広げ、強引に指を増やし、一方では桂自身を口内に含む。荒々しく舐め、舌で強く刺激する。
「あっ、ああっん、あッ!ひ、ぃあ、んぁッ...!」
次々と与えられる激しく生々しい感覚に追いつかず、長い黒髪が淫らに降り乱れる。
「もっとだ」
双方の荒い吐息が部屋に混じり、蝋燭の焔が揺らめく。
「っひ、ぁああ...、はぁあ、あ、」
嬌声が次第に朦朧として、与えられる快感を全身で享受し始める。
男は堪えかねたように指を引き抜き、桂の手首を拘束する縄をもどかしそうに外し、掌を取って乱暴に組み伏せた。

「俺の名を、呼べ...!」

搾り出すようなその声に、一瞬、桂の表情が強張る。口唇が何かを模るように動くが、しかし男の名は浮かんでこない。
自分で言っておきながら、その結果に傷つくかのように、男はひどく苦しげに顔を歪めた。
次の瞬間、組み伏せた身体に楔を強く打ち込む。
「んぁあっ...!」
叫びを封じるように荒々しく口付け、激情の赴くまま、何度も強く突き上げる。
「ひ、...ぁっ、...ッ...!」
爛れるほど煽られた後に与えられるあまりの快感の強さに、声も出ないほどに身悶える桂の身体。
男はそれを赦さぬように、さらに激しく攻め立てる。
「もっと、もっと、俺を欲しがれ...!」
搾り出すような声で、すがるような表情で。狂うほどの加虐的な挿入を、何度も何度も繰り返す。
そして、
「...ァ、ッ、...ぁあああッ...!」
高く掠れた悲鳴を上げて、桂の意識がついに途絶える。
力の抜けた青白い身体を強く強く掻き抱いて、男は甘えるようなたどたどしさで、その口唇を貪った。

 



 

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