※この作品は性描写があります。18歳未満の方はご遠慮下さい。
18歳以上の方は自己責任でご閲覧下さい。
３．
「...舌、出せよ」
くちづけを少しだけ離し、掠れた声で促す。桂は熱に浮かされたような表情で、ひかえめに舌を差し出してきた。
その表情に己の芯が昂るのを感じつつ、そっと舌先を合わせる。熱く湿った、やわらかいそこ。敏感な感覚器同士が触れ、ひどく原始的な気分になる。
そっといたわるように舌先を触れ合わせ、舐め合い、互いの感覚を確かめ合う。
「ふ...」
ふいに、鼻から抜けるような声が漏れる。それを合図にしたかのように、銀時のくちづけが急に深くなった。
「ん、んんっ、...っ」
深く舌を挿し込み、桂のそれを懸命に貪る。くぐもった声が、余計に銀時を煽らせる。
口内をどれだけ深く犯してももはや物足りず、銀時は白い下肢に手を伸ばした。
すぐにでも内部に侵入させたい指をぎりぎりで我慢して、桂の内腿をつ、となぞり上げる。
「ぁッ、」
突然与えられた下肢への愛撫に、桂の身体が小さく揺れた。
決して桂自身には触れず、足の付け根に指を滑らせ、下腹部と足の境目を何度も優しくなぞる。
「...っは、ん...、ぁ...」
微かにもどかしさが含まれた声。その反応を楽しみながら、銀時の指は巧みな攻めで徐々に熱を導いていく。
欲しい場所からわずかにはずされた愛撫に、桂の下肢が震え始める。
「ぁ...は、...っく」
眉根を寄せ、施される責めに耐えるように、ぎゅっと敷布を握る。その仕草がいとしくて、いっそこのまま衝動的に犯そうかとも思う。
それをさせないのは、桂の身体に巻かれた白い包帯。先刻見た夢の中で真っ赤に染まっていたそれを、現実でまで汚したくはない。
ぎりぎりのラインの上に、銀時はいた。
「...ぁ、あ、...は、ぁ」
桂が苦しそうに喘ぐ。すでに充分昂らされた身体は、さらなる刺激を求めて自然と揺らめき始める。
「...っ、ぎん、とき...!」
耐えかねたように名を呼ばれ、限界と判断した銀時は、数度内腿をなでてから指を桂自身の先端に絡めた。
「ああぁっ...!」
ようやく与えられた刺激に、桂の身体がビクンと大きく跳ね、甲高い声が上がる。
「あっコラ、動くなよ、大丈夫だからな」
桂の後ろに回って背の傷ごと抱きすくめ、あやすように耳朶を食む。
だが密着した身体の感触に、銀時の血が急激に沸いた。
白い両足の間から乱暴に手を差し入れ、言葉とは裏腹に、桂自身を激しくいたぶり始める。
「っあ、いぁ、や...!」
急に与えられた強すぎる刺激に、桂が身を捩る。じわじわと焦らされてきた身体は一際敏感になっていて、これまでとのギャップに狂おしいほどの感覚をもたらした。
「動くなって...」
桂の身体を抑え込むように強く抱きすくめながら、愛撫する手は一層激しさを増す。
その動きはあまりに加虐的で、先ほどまでの緩やかな愛撫が嘘のようだ。
「ン、ああっ、や、ぎ・・ん、ぁ、...あ!」
衝動の赴くまま強く乱暴に扱き上げると、桂の身体が一際大きく震え、銀時の指に白が吐き出された。
４．
「...ヅラ...?」
動かなくなった桂に急に不安になり、横向きの身体を仰向けにして顔を覗き込む。
「......大人げない、ぞ、貴様...」
ややあって、切れ長の目が半ば責めるように銀時を睨んだ。
その目元は赤く、くちびるは薄く開かれ、乱された呼吸にまだ肩が震えている。
そんな状態で視線を向けられ、銀時は再び血が滾るのを感じた。
「...大人げなくさせてんのはテメーだろ」
再び桂の肢体に覆い被さり、一度くちづけてから呟く。
「人のせいにするな...大人げない奴め」
銀時の重みを受け止めながら、桂も負けじと言い返した。
達したばかりの身体は、上に圧し掛かられる感触にさえ官能を求める。息もできないほどのその感覚に、思わず銀時の背に縋りつく。
その様子に銀時もまた、桂がぎりぎりのところにいることを知る。
「テメーこそ、大人げないんじゃね?」
にやっと笑って銀時が言う。
「違う、貴様のほうが大人げない」
「ほら、ムキになって言うあたり、大人げねー」
「そうやって言い返すあたり、大人げない」
「何ムキになってんの、大人げねー」
「ムキになどなっていない、そういう貴様が大人げない」
口を尖らせ、子どものように言い合う。
裸で抱き合っている最中に、一体何をやっているのか。こういうところは昔から何ら変わっていない。
痺れを切らした銀時は、桂の口を手で封じた。
掌に、しっとりとした熱い感触が当たる。
「...じゃ、テメーも大人げなくさせてやるよ」
銀時が宣言する。色欲の揺らぐその視線に、桂は身体がじんとなるのを感じた。
「じっとしてろよ...?」
意地悪く言って桂の膝の間に移動し、立ち上がりかけた熱にくちづける。
「あぁっ・・!」
敏感になっている部分を急に刺激され、桂の肢体がビクリと跳ねる。先刻達したばかりの身体は、貪欲に刺激を求めていた。
「だから、動くなって...」
膝を押し上げて自分の肩に乗せ、上体が動かないように、桂の腕を敷布に押し付ける。
あられもない姿勢に固定され、羞恥に桂が顔を背ける。
しかし羞恥とは別の感覚もまた、桂の身体を侵し始めていた。
「覚悟しろ」
不敵な笑みを浮かべて言い、桂のそこにくちづけ、舌先で先端をなぞる。
「っア...ん」
銀時の舌が、じわじわといたぶるように動く。
仰け反った顎から喉のラインが、震えて甘い声を紡ぎ出す。
「あ・・、は・・ぅ、ンっ、」
舌全体を使って、上下に舐め上げられる。
「ふ・・、ぅ、あ、」
先端に精を塗り込めるように、舌腹を使って舐め回される。
「あぅ、あ、あ・・、ンっ」
くちびるで慈しむように、ちゅくちゅくと啄まれる。
「は・・、ぁ、あ...」
舌のうねりに翻弄され、意識が朦朧としてくる。下肢に与えられる絶え間ない快感が、桂の全身を支配する。
「んっ、あ!あ、ア・・!」
途端に深く頬張られ、全身に激しい感覚が走る。思わず銀時の髪を掴んだ。
「や、や、ァ、あんっ・・!あ、あっ、」
激しい責めに断続的な悲鳴が上がり、呼吸が一気に早くなる。逃れようとするが、縛り付けられたように身体が動かない。
「ぎ、ん、や、あっ、あぁっ...!」
喉が振るえ、潤んだ瞳からは生理的な涙が零れる。
「ア、ぎん、あっ、あぁ、...」
意識が飛ぶ、と思ったそのとき、銀時がふいに口を離した。
達する直前で止められ、桂の身体がぶるっと震える。
「ぎん、とき...?」
戦慄くくちびるで訴えるが、銀時は動きを止めたまま、桂を見下ろしている。
「...ぎんとき、」
眉を寄せ、濡れた瞳で、切ない声で、先を乞う。
「ぎんとき...!」
苦しげに息をし、全身でその名を呼ぶ。
「はぁい?」
ようやく返ってきた声は、子供をあやすように優しくて、意地悪で、泣きたくなる。
「ガマンできないの?大人げねーなぁ...」
優しくそう言って再度それを口に含み、強く愛撫すると、甘い悲鳴と共に２度目の精が吐き出された。
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